梅雨
好きになったら、良いことが返って来そうなものばかり、好きになるというのは、あまり好きではないなと、最近よく思う。
人と人の、あるいは何か「わっ」とした感覚との、意思疎通の凸凹の隙間にある、得体の知れない何かを、飲み込んだ先。それが当たりなのか外れなのか、答えを待つうちに飲み込んだことを忘れてしまうくらい時間がかかるような事を、繰り返し繰り返し、ずっとしていたい。穏やかな賭けのように。
雨が、降りそうで、降らない。いつか必ず降るので、賭けにならない。
突拍子もないものが、涼しい顔で空から降るのを、待つ。だらだらと賭けながら、進む。