グレン・グールド
「グレン・グールド」ドキュメント。良かった。愛と孤独。彼の偏執的で力強い眼。その中に孕んだ寄る辺を求めた弱さ。集中力。没頭。そして常に新しい芸術家であるということ。音楽の、表現の矜恃。
死んだ人を忘れなくて良いのなら、それは良いことなのかも知れない。少なくとも、自分が思い出したくなったら、好きなときに思い出せるから。そう思った。たくさんの個人的な意見に基づくインタビューで溢れた、素敵なドキュメンタリーだった。
雪の中に立った彼の姿の後ろ、何もない空間に広がった想像力と、分からなさ、そして孤独であることの逆説として必ず誰かがそこにいること。
彼の地味な車とコートとマフラーと手袋とモーテル、そして低い椅子とピアノが、二度と会うことのない知った人の記憶のように、霞みながら浮かぶ。
make some what?
何か作ろうかな。
祖父を想う
深夜、バニシング・ポイントを観る。
バリー・ニューマンに、長距離トラックドライバーだった祖父を想う。
お前は優しく賢いと、祖父に呪文のように言い続けられた。あれ以上に嬉しかったことは無い。僕が本を読むと祖父は喜んだ。だから目が潰れるくらい本を読んだ。目が悪くなった。そのことすら祖父は喜んだ。本をたくさん読んだからだと。本に書いてあったことは全て既に祖父から学んでいたことだった。
記憶。
時が経つにつれ美化されていくことを痛感する。
美しさの意味さえ僕は祖父の死から学ぼうとしている。
卑怯なのだろうか。
美しさは、美しさから学ぶことは出来ない。
ただ日々を繰り返すことでしか。
城下公会堂 F.A.Z出張出店
去る9/23、岡山は城下公会堂で出張出店させて頂きました。→2013/09/23 F.A.Z @ 城下公会堂 - BOOK DEPT. F.A.Z
BGMとしてわたくしの大親友DJタカツキシュウジ (swlabr / radiophonic workshop)の7hロングセット、そして何と飛び入りでHaruki Matsuo先生のラスト1h贅沢なDJも拝めました。シュウジ、松尾さん、ホントありがとうございました。
F.A.Zのほうも盛況頂きまして、沢山の人が会話とともに楽しみ、お買い上げ下さいました。
みなさんが、秋の夜長の読書として、またそれぞれの場所でページを捲ってくれていたら良いなと思います。
また、やらせて頂けるなら、第二回もやりたいです。
ホント良いイベントになって一安心。それでは皆様、またどこか夜の底で会いましょう。
they don't love you but i do love
大阪も台風を経て、日々過ぎ、晩夏から初秋へと。境目を見失ったように、するりと時間が過ぎていく。昼夜逆転、不規則不健康。
季節の変わり目にはいろいろと。PARANOIAの仲間が名古屋に引越した。とはいえ、どこにいてもいつも通り続けるのやろうと思う。呑んで、話して、音楽の中で。そうやってきたから、これからもそうする。その中で、少しずつ良くしていく。楽しいから。
今日は、僕は岡山へ。古本行商いたします。10年来の付き合いの方にお誘いを頂き。ありがたい。F.A.Zも、続けていく中で少しずつ良くしていく。穏やかにすくすくむきむきと育てていけたらいい。美しい不規則不健康を詰め込んで。
9/23 F.A.Z出張@ 城下公会堂
お近くの方は是非お越し下さい。どなたさまでも入れます。秋の夕べに合う読書のお供をご用意しております。
準備で気付けば寝るタイミングを見失いながら。